「自分と同じ年代の人はどれくらい貯金しているのだろう?」と気になったことはありませんか? 貯金額は年齢によって大きく差が出るだけでなく、独身か結婚しているかによっても状況が異なります。また、平均値だけを見ると「一部の資産家」に引き上げられてしまうため、中央値を確認することが重要です。
この記事では、20代から80代までの年代ごとに 貯金額の平均値・中央値を年齢別に整理し、さらに独身と結婚世帯別に解説していきます。自分の立ち位置を知ることで、将来のライフプランや節約のモチベーションに役立てていただければと思います。
前提知識:平均値と中央値について
平均値と中央値の違い
まず「平均値」とは、全員の貯金額を合計して人数で割った数値です。平均値は万人にとってわかりやすいですが、1人の貯金額が多い場合、あまり有効な数値とは言えなくなってしまいます。
例えば100人のうち1人が1億円を持っていれば、平均は大きく引き上げられてしまいます。
一方「中央値」とは、すべての貯金額を小さい順に並べたときの真ん中に位置する値を指します。中央値の場合、1人の極端な数値の影響を受けません。
そのため、より実態に近い水準を知りたい場合には「中央値」が参考になります。逆に大まかに社会全体の富の傾向を知りたい場合には「平均値」も重要です。両方をあわせて見ることで、より客観的に「自分の貯金額がどの位置にあるのか」を判断できます。
【年齢別】独身の貯金額の平均値と中央値
ここからは具体的に貯金額の平均値と中央値を年齢別に見ていきましょう。まずは独身の場合です。
20代独身
平均値:120万円/中央値:50万円
社会人になって間もないため貯金額は低め。ただし、早いうちから積立習慣をつけると大きな差になります。
30代独身
平均値:400万円/中央値:200万円
結婚や住宅購入を意識する人が増え、堅実に貯金する人が目立ちます。一方で浪費傾向のある人との差も開き始めます。
40代独身
平均値:650万円/中央値:300万円
役職や収入が安定し貯金額も伸びる時期。ただし独身の場合、生活費を自分一人で負担するため支出次第で差が広がります。
50代独身
平均値:1,000万円/中央値:500万円
老後資金を意識し始め、資産形成に本腰を入れる年代。投資に取り組む人と現金で貯める人で大きく違いが出ます。
60代独身
平均値:1,300万円/中央値:700万円
定年を迎える人も多く、年金生活を見据えた資産形成が必要です。中央値との差が広がりやすい時期です。
70代独身
平均値:1,400万円/中央値:800万円
年金や退職金を使いながらも、慎ましく生活する人が多い層です。医療費の増加が懸念されます。
80代独身
平均値:1,200万円/中央値:600万円
取り崩しが進み、貯金額は減少傾向。ただし、倹約生活を徹底する人はまだ安定した資産を保っています。
【年齢別】結婚世帯の貯金額の平均値と中央値
結婚世帯では二人の収入が合算されるため、独身よりも平均値は高くなる傾向にあります。
20代結婚世帯
平均値:250万円/中央値:150万円
新婚で出費が多いため、独身よりやや高い程度。
30代結婚世帯
平均値:700万円/中央値:400万円
子育てや住宅購入で支出が増えるものの、共働き家庭なら順調に貯金可能。
40代結婚世帯
平均値:1,200万円/中央値:600万円
教育費と住宅ローンが重なり、貯金額に大きな差が出る時期。
50代結婚世帯
平均値:1,800万円/中央値:900万円
子育てが一段落し、貯金ペースが回復。老後資金準備が加速します。
60代結婚世帯
平均値:2,300万円/中央値:1,200万円
退職金の影響で一時的に貯金額が増える時期。ただし生活設計が甘いと減少も早いです。
70代結婚世帯
平均値:2,000万円/中央値:1,000万円
年金を中心に生活し、生活水準によって差が広がります。
80代結婚世帯
平均値:1,500万円/中央値:800万円
医療・介護費の増加が大きな負担に。貯金を取り崩しつつ生活する人が大半です。
まとめ
- 平均値だけを見ると実態よりも多く見えるため、中央値も参考にすることが重要
- 貯金額の平均値と中央値を年齢別に確認すると、同じ年代でも独身と結婚世帯で大きな差がある
大切なのは「今の自分の立ち位置を知り、将来に向けてどう行動するか」。20代で貯金が少なくても、早めに習慣をつければ老後には大きな差になります。逆に、収入が多くても支出が大きければ貯金は増えません。
貯金額の平均値と中央値を知ることは、単なる比較ではなく、自分の将来を設計するための指標です。今日から少しずつでも貯金習慣を始めることが、安心した生活への第一歩になります。

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